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【トーンについて】

 漫画に主として使われるのは、オフセット(転写式)印刷で基本的に白い紙に黒一色で文字などを打つ印刷方法です。
 その方法で白でも黒でもない灰色のように見える中間色を表現するためにあるのが、黒い点や線を印刷した貼り付け式のフィルム、トーンです。
 スクリーンとも呼ばれます。
 1枚で250~500円と漫画制作の中で、かなりお金がかかる道具です。


<トーンの種類>

網トーン
 よく使われる、小さな網点(ドット)をたくさん打ってあるトーンです。

万線トーン
 細い線が描いてあるトーンです。青いネコ型ロボットに使われています。

砂目トーン
 砂のようにすごく小さな点を、ランダムに散らしたトーンです。やや写実的な表現に使えます。

グラデーショントーン
 少しずつ濃さの変わっていくトーンです。主に陰影を表現するため使われます。

柄トーン
 チェック柄、花柄、イラストパターンなど多種多様な模様をもつトーンです。数え切れないくらいの数があります。

効果トーン
 効果線や網掛け、ベタフラッシュなど、本来手書きで行う部分の効果をフィルムとして貼り付けることで実現するトーンです。
 爆発や水面などを表すトーンもあります。

ホワイトトーン
 通常とは逆の、白い点などを打ったトーンです。描いた像を綺麗にぼかしたり、薄く見せるのに使われます。

 空や海、ビルや町並みなど背景を描く代わりに貼り付けて使えるようなフィルムも販売されています。
 デジタル加工による、コンピュータ・グラフィクスに近いトーンも売られていて、多様さに磨きがかかってきているようです。
 知識のある人なら、写真などから自作のフィルムを作ることもできます。

 トーンには、線数と濃度という項目があり、特に網トーンを使う場合の目安になります。線数というのは、1インチ(2.54cm)の幅の中に網点が何列はいっているかを示しており、濃度というのは一定面積に網点が占める割合を示しています。
 例えば”50L/30%”と表されていれば、線数が50Linesで濃度が30persentということになります。

 漫画でよく使われるのは、50線と60線のトーンです。70線以上のトーンは点が小さいため、印刷すると点の隙間がくっついて綺麗に印刷されないいわゆる潰れた状態になったり、点が全く印刷されないといういわゆる飛んだ状態になりやすいようです。

 よく使われる濃度は、薄い部分を表す10%のものと濃い部分を表す30%のものです。
 濃度5%のものは人体の薄い影を表すのに使われますが印刷によっては飛びます。40%はかなり濃い部分の表現に使われます。20%は他の部分との微妙な違いに使われ、50%はほとんど黒に近くなるためあまり使用されません。

 初心者は、まず60線の10%と30%に砂目とグラデーションの計4枚を購入することをおすすめします。

 トーンにはメイカーによる多少の質の違いもあります。それほど大きく違うわけでもありませんが、粘着力がやや強いのがマクソン、貼り直しがしやすいのがアイシーなどと覚えておくといいでしょう。
 値段による品質の違いについては、人間の目では判別しがたいものがあります。
 もちろん値段は、品質のある程度の目安にできるでしょう。

 トーンを使用するためには、いくつかの道具が必要になります。


<トーン張りの道具>

カッター
 普通のカッターです。トーンを削るときに使えます。
 大きくトーンを切るのには、ハサミを使って一度シートごと切り離すというのもトーンが張りやすいです。

デザイン・ナイフ
 クラフト・カッターとも呼ばれる、工作用のカッターです。小さく鋭い刃が使われています。首が回転するものなどもあります。

砂消しゴム
 トーンを削ることができます。さらになめらかに削るには普通の消しゴムを強めに使います。

トーン・ヘラ
 バニシャー、トランサーとも呼ばれ、トーンを押したりこすったりして紙に圧着するための道具です。

水色鉛筆
 色鉛筆は印刷に出ないので、トーンをどう貼るかの下描きをこれで直接書きこめます。ただしあまり濃く描きすぎると印刷されたりします。黄色などでもOKとか。

トレース・ボックス
 ライト・ボックスとも呼ばれます。箱の中に電灯があり、原稿をその上に置くと透かしてみることができます。濃いトーンを貼る際に、トーンが透けてペンの線が見えるので便利です。

練り消しゴム
 トーンの削りカスを叩いて取ることができます。妙な使い方ではありますが。

金属定規
 トーンを真っ直ぐ削るときなどに使います。必要なときは確かにあるものの、それ以外の使い道がありません。
 アクリル性の定規でも片方に金属を埋め込んであるものがありますので、そちらの方がいいかも。


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