【記号その2】
文章を書く際に使われる記号を説明するページの2ページめです。
なお文章記号を、印刷用語から「約物」と総称することがあります。
長音付(音引き)と波ダッシュ
長音符”ー”は、本来は外来語の音を伸ばす言葉を表記するためのものでしょうが、人物の発言の音を伸ばす場合にも用いられます。
例1:テーブルを二人で持ち上げて、そろそろとカニ歩きをして壁際に寄せた。
例2:「おーい、聞こえるかー?」
一般的にWindows OSのパソコンのモニターに表示される”~”は全角チルダで、本来の波ダッシュとは波形が違う(左右を反転した形)、という事実があります。
Macintoshでは、本来の波ダッシュで表されます。
ただ、実用性としてはあまり大きな違いがないですから、Windowsでの波ダッシュは違うものと、覚えておけばよいでしょう。
何かの行事の期間を示したり、人物の発言の音を伸ばす場合に用いられます。音を伸ばす時には、長音付よりも砕けた雰囲気の、コミカルな感じになります。
例1:1~12月で、1年となる。
例2:「お~い、聞こえるか~?」
例2は、本格的な小説では見られません。
リーダーとダッシュ
リーダーには、三点リーダー”…”と二点リーダー”‥”があります。
とはいえ、二点リーダーは普通は使いません。
三点リーダーは、”……”のように2つ連ねて使い、よく人物の発言の頭や末尾に使用されて、短い沈黙のような間を表現したり、言葉尻を濁したりするために用いられます。
例1:
「……そうだよ。これは密室殺人事件なんだ」
例2:
「頭ではわかります。わかりますがしかし……」
例3:
「……」
彼は沈黙で答えた。
例3のような表記を時折目にしますが、かぎ括弧の中に三点リーダーのみ、というのは少々問題があるかもしれません。
何も言わないなら、かぎ括弧を使ってわざわざ台詞にして見せても意味がないようにも思えます。
ただ、近年よく見られる表現なのは事実です。
本来は映画の脚本や舞台の台本など、台詞に重点を置き、なおかつ表記に簡潔さが求められるようなものに使われることが多かった表現です。
ちなみに、「三点リーダーを多く使う人は小説の下手な人」という言い方が昔からあるので、気をつけてください。
一部の漫画などでは、吹き出しの中で二点リーダーを三点リーダーの代わりに使ってあったり、三点リーダーを”……”と”…”の両方で使っています。
これは漫画独自の特別なやり方だと思ってください。
漫画は漫画です。
ダッシュもまた、”――”というように2つをつなげて使います。三点リーダーと同じように発言中の沈黙を示したり、文中に注釈のようなものを入れるために使ったり、通常の文で微妙な間を表現したりと、多様な使い方をされます。
発言中に使用する場合には、三点リーダーの無言の状態よりも、やや単純な”無音の間”を表すような印象があります。沈黙にあまり含みがない、という表現が合うでしょうか。
例1:
「そうか――やっとわかった。」
例2
たばこ用の排煙装置――これは実は妻から私への誕生日プレゼントなのだが、ただ一度として使ったことがない。
例3:
そこに何かあるのか――それともやはり何もないのか――。
なお、三点リーダーは”てん”、ダッシュは”だっしゅ”と入力して変換すると、変換候補に表示されます。
2つをコンビにして、単語登録などを行っておくと楽に使えるようになります。
中黒
中黒”・”は、ある集団に属するそれぞれの名称を列記する場合などに多く使われます。
他に、外来語を単語ごとに区切ったり、外来の人名の姓名を区切る際に使われます。
例1:
私が思い切りつかみ取った飴玉の小山には、コーラ味・サイダー味・リンゴ味など様々なものがあった。
例2:
シュトゥルム・ウント・ドゥラングとは、ドイツ語で疾風怒濤の意味だ。
例3:
欧米ではサラディンと呼ばれたり、サラーフ・アル=ディーン(Salah al-Din)とも表記されるが、イスラム圏ではサラーフッディーンと呼ばれている。
例4:
「・・・なぜ赤なんです。青ではだめなのですか?」
例3はやや変則的ですが、ヨーロッパに多く見られる名前に使われたハイフン記号は、日本語に直す際にイコール記号に変える、というルールも存在します。
古い表記では、イコールを現在の中黒と同じように姓名の間の区切りとして使っているものもありますが、通常はイコールではなく中黒を使用した方が良いでしょう。
例4は、中黒を三点リーダーと間違えて使っている例です。見た目のリズムもあまりよくありませんし、絶対にやめてください。
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