○ロウ・ホール市庁舎/市民ホール(夕) 観客席に座る人々。風貌は一般人とかけ離れている。 バーマン、笑顔で手を振り、舞台に登場。歓迎する者は居ない。SPからマイクを受け取る。 バーマン『諸君、よくぞ召集に応じてくれた!』 キヨヒラ、客席に座って大欠伸。頭上でウォンが浮遊。 キヨヒラの声『・・・くだらねえ演説なんかすんなよ』 バーマン『俺様を裏で支えてくれる諸君にはこの街の治安を守る為の重要な任務を授けたい!』 SP一同、演説に拍手。会場はしらけたムード。 キヨヒラ『(小声)どう見ても治安悪化に貢献してる奴らばかりだな・・・』 ウォン『フッ・・・一理あるな』 バーマンの合図で舞台がライトアップ、スクリーンに長髪・髭面の男の写真が映される。 バーマン『バス・カーターと名乗る人物は人造人間《ゴーレム》禁止令違反により指名手配された。現在、ロウ・ホールに潜伏中だ!』 キヨヒラ『(小声)どうせ金出すから捕まえろ、だべ?』 ウォン『いや、生死問わず《デッドオアアライブ》だろう』 バーマン、指名手配書のコピーをばら撒く。 バーマン『生死は問わん!懸賞金の上限は無しだ、思う存分暴れてこい!!』 客席から一斉に雄叫びが上げる。 キヨヒラ『市民の税金から捻出すんだろうが・・・』 ウォン『一応、おまえも納税してたっけか?』 キヨヒラ『・・・・』 バーマン、満足げに額の汗を拭う。 ○ロウ・ホール市内/スラム(夜) 古い集合住宅が乱立するスラム区域。 キヨヒラとウォン、大通りを闊歩する。 キヨヒラの声『今から29年前、世界規模の会議で人造人間《ゴーレム》禁止令とか言う法律が施行されたらしい』 野良犬がキヨヒラを睨みつける。 キヨヒラの声『人造人間《ゴーレム》ってのは、物から自在に操れる人形《ひとがた》を総じて呼ぶそうだ』 住人達もキヨヒラを訝しげに見詰める。 キヨヒラの声『直接のきっかけは人造人間《ゴーレム》を利用した犯罪増加だが、真相は別な理由がある噂されている』 古代東洋での人造人間創造の儀式の様子。 キヨヒラの声『(ウォンを横目で睨みながら)遺体、もしくは生身の人間から人造人間《ゴーレム》を作ろうとした馬鹿がいるって噂なんだが・・・』 ウォン『(キヨヒラの視線を感じ)何か言いたそうだな?』 キヨヒラの声『(ウォンを睨みながら)こいつがその張本人・・・天才と謳われたらしい元人間・ウォン。今でこそ何故か人魂になっちまったが昔はその業界《スジ》じゃブイブイ言わせていたらしい・・・そして』 T字路の右側から2人の男が慌てて駆け寄って来る。 キヨヒラ『(2人の男を指差して)あいつら・・・市長《バーマン》に召集されてなかったか?』 ウォン『うむ、言われてみればな』 賞金稼ぎA『(キヨヒラに縋りつき)た、た、助けてくれ!』 賞金稼ぎB『人造人間《ゴーレム》が出た!しかも、数が半端じゃねえ!!』 キヨヒラ『分かった、任せろ』 キヨヒラ、背中のバッグからショットガンタイプの銃を2丁取り出す。 人造人間《ゴーレム》の群れ、T字路の左右から続々と現れる。 ウォン『大量だな』 キヨヒラ『当分、食うには困らねえな』 キヨヒラ、乱射しながら群れに突撃。人造人間《ゴーレム》を次々倒してゆく。 賞金稼ぎA『す、すげぇ・・・』 キヨヒラ、背後から人造人間《ゴーレム》に羽交い締めにされる。 賞金稼ぎB『危ない!』 キヨヒラ、肘打ちと頭突きで背後の人造人間《ゴーレム》を撃退。 賞金稼ぎA『・・・人造人間《ゴーレム》って滅茶苦茶硬いよな?おまけに相当な怪力だ』 賞金稼ぎB『ああ、あの若造も相当な化け物だぜ・・・』 キヨヒラ、発煙筒を投げる。辺りが煙に包まれる。 キヨヒラの声『そしてオレも・・・』 キヨヒラ、人造人間《ゴーレム》に首を掴まれ、壁に押し付けられる。 キヨヒラ『ぐっ!』 ウォン『キヨヒラ!』 キヨヒラ、人造人間《ゴーレム》は殴り倒す。 キヨヒラの声『そう・・・オレもウォンによって人造人間《ゴーレム》にされた被害者の1人だ・・・』 キヨヒラ、手にひび割れ。出血は無い。